こんにちは、リベルタパフュームの山根です。冬の新作「Nivalis」をお手にとっていただきありがとうございます。「雪の美しさと人肌のあたたかさ」という、ちょっぴり複雑なコンセプトを掲げた香りですが、今作も多くの方に愛していただけてとても嬉しく思います。
さて、今日のジャーナルのテーマは「香りを贈ること」について。
ちょうど公式サイトからニヴァリスを購入いただいた方を対象に、大切な人へ【ニヴァリスのムエット】と【メッセージカード(150文字程度)】のセットを贈れるキャンペーンを実施していますが、私たちがなぜこのような取り組みを進めているのかを含めて、香りを贈ることについてお伝えできればと考えています。
◎香りって贈りづらいというイメージがありませんか?
香水の仕事をしていると、香りは好みがあるから人にあげにくい、というフレーズを度々耳にすることがあります。今でこそありとあらゆる香りを嗅ぎ、どんな香りも受け入れられるようになった香水中毒な私ですが、まだ香水に興味を持ち出した頃は、明確に苦手な匂いが存在していました。その当時に自分の苦手な香水をもらっていたら...と想像すると持て余してしまうなとも思います。
そんな相手の好みがわからないと贈りづらい香水ですが、リベルタパフュームが始まってからは、診断があるのであげやすくなったというお声を多くいただくようになりました。以前のジャーナルにも書きましたが、診断を通して相手の香りを選ぶというプロセスがあることで、その香りを贈る理由が明確になるということがポイントなのかもしれません。
『正しい香水のプレゼント方法は?』
https://liberta-perfume.com/shop/information/journal_howto_2021-01-21-fragrance-for-gift
しかしそうはいっても、とてもパーソナルなものである香りは、誰かに贈るにあたっては配慮が必要なものであることに変わりはありません。同時に、そのようなパーソナルなものをじっくりと考えて贈ることが楽しいと私は思っています。
◎実は予想外な喜ばれ方もある!
ギフトで贈りづらいという宿命を抱えた香り製品ですが、実は予想外な喜ばれ方をすることもあります。今年の敬老の日に、遠方に住む妻の祖父にフラクタスのホームケアセットを贈ったのですが、それが予想だにしない喜ばれ方をしたのです。
ちょっと脱線しますが、敬老の日にみなさんは何をギフトに贈っていますか?私はここ数年はずっと和菓子を中心に選んできました。あまり外出することがないので、何か身につけるものは持て余してしまうだろうし、消耗品でないものを贈ることもガラクタになってしまう可能性があるので、意外と難しいものでした。今年も例年通りにデパ地下を物色したのですが、いいなと思うものはすでに何かしらの機会に贈ってしまっており、同じものをあらためて、というのは避けたい気持ちからとても悩んでしまいました。
悩み抜いた結果、あまり心惹かれない和菓子を贈るくらいであれば、受け入れられないかもしれないけれども、自分が良いと思うものを贈ってみようかな、と根拠のない冒険心が生まれてきまして、フラクタスのホームケアセットに白羽の矢が立ったのです。
ちょうど9月下旬で少し寒くなってきた季節だったので、フラクタスのような静かな印象を持つ香りがいいだろうと、香りを軸に選択しましたが、私は妻の祖父の香りの好みは全く知りませんでした。贈る前に香りの好みを確認することも無粋だなと思いました。全くの情報がなく、ただただ私が贈りたいと思ったという理由でフラクタスは選ばれました。
ーーーそんなドキドキを抱えながら運送業者に引き取られていく荷物をそっと見送ったのでした。
「おじいちゃんがすごく気に入っていると連絡があった」
そのように妻から聞かされたのは、敬老の日の翌日でした。何度か当日に電話してくださっていたようなのですが、未登録の番号からの着信に出ていなかったので、連絡を取るのが遅くなってしまいました。
申し訳ない気持ちと香りを気に入ってくれた喜びの中で電話をしてみました。すると予想外のコメントが返ってきたのです。
「自分はもう香りなんてあまりわからないのだけど、普段は手にしない新しいものをもらえてよかった。この年になると(90歳近い)みんな贈ってくるのは和菓子ばかりだったので新鮮だった。孫もいい匂いだと言っているし、こんな素敵なものをもらえて嬉しい。」
電話越しの声からは、本当に喜んでいることが伝わってきました。そして何より自分は香りが良かれと思って贈ったギフトでしたが、それとは異なるところで喜んでもらえたという、予想だにしないサプライズがあったのです。
誰かの生活に彩りを与えることができたという喜びを直に感じ、このような偶然の出会いからも香りを通して喜んでもらえるのだ!と贈った側の私がとても嬉しくなるという体験をしたのでした。
◎もっとギフトに香りを選んでほしい
“香りを楽しんでほしい“というギフトで選択したものでしたが、私のエピソードのように何か予想にしないような喜ばれ方があるのかもしれません。好みに合う香りを贈るのはハードルが高いかもしれませんし、相手の好みを知った上で贈るということが大切でかけがえのない時間であることに変わりはありません。しかし、そのハードルを乗り越えて贈ることも素敵なことですし、前情報がない中で贈ってみるということも、予想だにしない化学反応が生まれることもあるのかもしれません。
パフューマリーとして、そんな“私たちが予想しなかったこと“がたくさん生まれてほしいという気持ちも込めて、Nivalisのムエットをそのメッセージと共に贈るという企画を発案をしてみたのでした。
いきなり香水を贈るのはハードルが高いかもしれません。そんな時はホームケアグッズから選んでみるといいと思いますし、ホームケアグッズもハードルが高いなと感じる時は、ぜひNivalisのムエットを贈ってみましょう。
皆さんの思い切りの良さが、もしかすると予想しなかったサプライズに繫がるかもしれませんし、私たちリベルタパフュームは、皆さんのそういったエピソードを聞かせていただける日を楽しみにしています。何かエピソードをお持ちの方はぜひ公式アカウントまでお寄せくださいね。
Twitter:
https://twitter.com/LIBERTA_Perfume
Instagram:
https://www.instagram.com/liberta_perfume/
プロフィール:
山根大輝@NY406
Founder&CEO。大学卒業後、コンサルティングファームで働きながらパルファンサトリで調香を学ぶ。好きな香料はプチグレン、ネロリ、ガルバナム。LIBERTAはグリーンタイプを愛用。