プレタポルテのLIBERATION(リバレイション、解放という意味)コレクションは、ブランドにとって一種のアート作品です。しかし同時に、LIBERTA perfumeが目指す「香りの民主化 = わたしたちのための香り」というフィロソフィーから逸れることなく、人の肌の上にのる香水としてきちんと機能し、その香りを纏う人にとっての「あなたのストーリー」を紡ぐものであるべきだとも考えています。この一見相反するように感じる、アートと民主化の融合ということに思いを馳せながら、私たちは、私たちが信じる香りのクリエーションに励みたいと思います。
今日は、そんな私たちの第一作となる「サクラマグナ」が、この2ヶ月間でどのように世の中で受け止められたかを整理したいと思いました。前半に実際の購入者さまからのフィードバックを、後半にはSNSやメディアでどのような反響があったかをまとめてみました。
ご購入いただいた方にアンケートを実施しまして、非常に多くの好意的なお声をいただくことができました。すべて公開したいくらい嬉しいものばかりだったのですが、いくつか抜粋して公開させていただきます。
『サクラマグナが良すぎて…これを超えるのは相当大変ではないでしょうか。欧米人が考える「桜ってこんなもんだろ?」を見事にひっくり返してくれて爽快でした。世界に誇れる日本の桜です。』
どこか異国のパフューマーが「桜って可愛いんだろ」と通りいっぺんに作るようなイメージをひっくり返したかったんですよね。この香りが唯一解だとは思っていませんが、私たちはこうあるべきだ、と思える香りになりました。
「香水の知識があまりなく、お店に足を運んでも結局何も選べず帰ることが多かったのですが、Libertaの香りはとても信頼感があります。今回のサクラマグナも自分では選ばないタイプの香りだけどとっても好きになって、出会わせてもらって良かった!って感じです。これからもそういう感動を期待しています。」
香水の知識があってもなくても、この香りは素敵だなって思ってもらえるような香りにしたいと思っていました。あなたの鼻を満足させることができたことを光栄に思います。
『身に纏うと、時間が経つにつれて月明かりの下に咲く満開の桜を思わせる風景がみえる香りでした。とても素敵です。』
月明かりの下の夜桜をイメージする方はたくさんいらっしゃいました。枯れることのない大木の桜をインスピレーションにしていましたので、その雄々しさやちょっぴり怖い印象を夜桜に投影する方が多かったのかなと思います。
その他にも共通したお声として・・・
・肌にのせた時の柔らかさがよかった
・ミドルノートからラストノートにかけての移り変わりが美しい
・パッケージが可愛いくて気分が上がった
・ハンドフレッシュナーまで上質な香りでよかった
・ディフューザーの香りが穏やかで心地よかった
といった内容を多く頂きました。
一方で次回に向けた改善点もいくつか見えてきました。
別添えの蓋が、うまくはまらず、ポンって飛びました。ゆっくり閉めたら閉まりました。コツがいりますね。
届いた時にコルクから漏れて溢れていて残念でした。
ディフューザーのボトルに対するご意見をいただきました。コルクはかなりきつめに入れたのですが、輸送中の気圧の関係などで滲んでしまう場合があることがわかりました。今回の反省を踏まえて、次回のディフューザーは、展示用のボトルに加えて、褐色ビンのリフィルボトル(スクリュー式で蓋が閉まります)で漏れ・滲みがないようにお届けしたいと思います。
バッグが小さいので持ち歩きに若干苦労することがあり……たっぷり入っていて嬉しいのですが、個人的にはCAMPFIREの時くらいのサイズ感だと助かります。
持ち歩く方はもう少し小さいものの方が良いのかも知れませんが、私はデスク用ですので気になりません。満足しています。
ハンドフレッシュナーのサイズについてのご意見をいただきました。100mlサイズでたっぷりの容量をお届けしたことから、持ち運びよりもご自宅で使われる方が多いという結果もみられました。実は次回のコレクションからは、ハンドフレッシュナーではなく、別のプロダクトに変更しようかと考えています。いまはどこにいっても、必ず手指のアルコールスプレーがありますので、別の用途のプロダクトをご用意しようかと考えています。
さて後半は、WEBやメディアでの反響の振り返りです。まず何より驚きがあったのは、予約販売当日の反響でした。Twitterで検索をすると、予約開始の10分前から待機いただいた方もいらっしゃったり、ちょっとしたお祭りムードになっていました。そして予約開始とともに、鳴り止まない通知...。なんと1ヶ月分と同じくらいの注文がたった数時間で殺到したのです。こんなにも多くの方が、サクラマグナを嗅がずに(もしくはムエットのみで)お求めいただけるとは思わず、とても光栄でした。
それから数日はじわりと予約注文をいただいていたのですが、3月6日に日経新聞の「モードは語る」に掲載をいただいたことで、またも注文が殺到しました。事前にclubhouseを通して公開取材をしていただいたのですが、ポストラグジュアリーを研究されている方から「これまでの”女性性”的な日本文化ではなく、和太鼓や書に代表されるような”男性性”としての猛々しさ現している」と文化的な背景を踏まえた評価をいただき、ジャパンパフュームのあり方についてもまた深く考えるにも至りました。
初回のお届けが3/20前後だったのですが、TwitterやInstagramで感動の声をたくさんいただきました。毎日エゴサーチで「サクラマグナ」と調べては、感想が増えていることを喜びました。そして皆さんからの感想を集めて、IGTVでご紹介する「リモートお花見」というイベントも開催しました。私たちも、サクラマグナフィーバーによる熱にちょっと浮かれながら、このイベントをお客様と一緒に楽しむことができました。
そして皆さんの反響から、様々な媒体で取り上げていただいたり、イベントの開催のお誘いをいただくことも増えました。ご紹介しきれないのですが、イベントについては、6月に名古屋と東京(非公開ですが)、7月に九州(こちらも非公開)で開催することが決定しています。
最後に、桜の季節が過ぎ去った後のサクラマグナの楽しみ方をご紹介して、このジャーナルをまとめたいと思います。
このジャーナルを書くまえに、メンバーのMioから「桜の季節が終わった後の楽しみ方を配信したい」と言われた私はちょっぴり困りました。それは桜というテーマに関係なく、シンプルにいい香りとして一年中浴びてほしいと思っていたからです。
桜の季節のあとに、どうやってサクラマグナを楽しめるかを発信しない?とメンバーから提案を受けた時に「テーマ関係なくいい香りだから、一年中浴びて欲しい!!!」って答えそうになって、そういうことじゃねんだよなと反省した。
— 山根大輝|LIBERTA Perfume (@NY406) April 27, 2021
ということで、ちゃんと真剣に考えてみることにしました。ここ2ヶ月、ほぼ毎日サクラマグナを纏ってみて、いちユーザーとしても感じていることですが、サクラマグナの真骨頂は「さり気なく香った時」の美しさだと思います。これは私なりの美学でもあるのですが、いい匂いだね!と思われることは嬉しいけれど、いい香水の香りだね!と言われるのはちょっと違うなと思うことがあります。香水は当然ながら、作品としていい香りになるように作られていますが、私にとっては人の肌に混じり、使われることで初めてその香りが完成するものだと思います。いい香水の香りだね!と言われるということは、それが自分の肌に馴染むことを超えて、香水の香りだけが先走っているような感覚にもなります。そして得てして、そういった場合は香水をつけすぎていることが多いのです。
もしかしたらサクラマグナをムエットで嗅いだ皆さんの中には、え?こんなに強いの?とびっくりされた方もいるかもしれません。でもご安心ください。肌にのせた時にはとてもよく馴染んで穏やかに香ってくれます。おなかと背中に1プッシュずつ、薄く広くつけていただくと心地よく香ってくれるはずです。存在感がありながら、ふとした瞬間にまるで春風のようにふわっと香ってくれるので、周りの人にもきっと好意的に受け入れてもらえるはずです。香水は自分の代名詞となるものです。人と違った香りを身に纏いたい、自分に自信を与えてくれるような香りを纏いたい方を探している方に、私たちのサクラマグナを手にとっていただけたらと思います。
さて、お気づきの方も多いと思いますが、私の紹介に桜の季節の後に〜という文脈が全く入っていませんね。長々と書いたにも関わらず申し訳ありません。春以外の季節のサクラマグナの楽しみ方は、他のメンバーがSNSやジャーナルで紹介してくれるでしょう!私たちの自信作であるサクラマグナ、ぜひ皆さまの香りのワードローブに加えていただけたら嬉しく思います。お読みいただきありがとうございました。
▼サクラマグナ
https://liberta-perfume.com/shop/products/sakura_magna
サクラマグナは、オードパルファム(50ml)を通年のコレクションとして一年を通して販売をしていきます。ホームケアセットやポータブルケアセットは、季節限定の在庫限りとなりますが、まだもう少し在庫がありますのでお求めの方はぜひどうぞ。
プロフィール:
山根大輝@NY406
Founder&CEO。大学卒業後、コンサルティングファームで働きながらパルファンサトリで調香を学ぶ。好きな香料はプチグレン、ネロリ、ガルバナム。LIBERTAはグリーンタイプを愛用。