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2021.02.15

【桜の香水ができるまで】#08「サクラ・マグナという名を」

香りのクリエーションと並行しつつ、この香りにふさわしい名前はなんだろうと頭を悩ませていました。今までのパーソナライズラインには、”シトラス”や”オリエンタル”などの香りのタイプを名前にしていました。それは、香りのカテゴリを知ってもらうことで、Liberta Perfumeの香りだけでなく世の中にある同じカテゴリの香りもきっと楽しめるよ、ということを伝えたいという想いからです。しかし今回のLIBERATIONコレクションでは、そのようなカテゴリで定義されるものではないので、完成品としての、固有の”揺るぎない名前”をつけてあげたいなという思いがありました。

ところで皆さんは、何かに名前をつけた経験はありますか?お子さんがいらっしゃる方は、きっと同じ感覚なのではないかと思うのですが、本当にあれこれ考えることがたくさんあるのです。字面は可愛いけど、声に出してみるとちょっと違うな...とか、いずれグローバルに香りを知ってほしいので英語にした方がいいのかな、でもジャパンパフュームの未来を定義する香りだから日本語の方が...などなど…。ただ、ずっとそのことを考えていると、スッと道が拓けるような瞬間がありまして、香り自体に説得力があるのだから、名前は和名でなくてもよいとか、意味も大切だけれどもこの香りを声に出した時に心地よい方がいいね、などと一歩ずつ時間をかけて腹落ちしていくことができました。

さて、今回命名したサクラ・マグナという名前ですが、直訳すると「偉大な桜」という意味になります。さくらの香りを再定義するにあたって、チェリーブロッサムではなくて”さくら”そのものを知ってほしいとの願いを込めて、サクラという名前を入れることにしました。しかしサクラだけではどうも口元が寂しいので、その香りの壮大さに恥じることのないよう、マグナ(ラテン語で偉大なという意味)というぴったりな言葉をつけることになったのです。マグナという言葉ですが、実は中学校の歴史の勉強でたまに出てくる言葉です。マグナカルタ(イギリスの大憲章)やフォッサ・マグナ(日本を東西に分ける溝)といった言葉に聞き覚えがあるかと思います(よく授業中に呪文のように唱えている子がいたりしましたよね)。音の響きからも壮大さが伝わり、それでいて声に出す時の滑らかさがとてもしっくりくる名前となりました。

次回、サクラジャーナル #09「危機的な状況に」は、2021年2月17日公開です。

プロフィール:
山根大輝@NY406
Founder&CEO。大学卒業後、コンサルティングファームで働きながらパルファンサトリで調香を学ぶ。好きな香料はプチグレン、ネロリ、ガルバナム。LIBERTAはグリーンタイプを愛用。

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