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2021.02.07

【桜の香水ができるまで】#04「チーム”サクラ”を結成」

香りのテーマと、ジャスミンとイリスのアブソリュートのアコードを使うことを決めたところで、香りを具体化する作業を進めるため、Yukimasa TakemiyaとShunya Nishiyamaの2名に声をかけ、プロジェクト”さくら”がスタートしました。初めての合作となるクリエーションでしたが、ほぼ毎日香りについて共有しているメンバーなので、創るべき香りのイメージは比較的早く揃いました。

香水は数十種類の天然香料や合成香料を組み合わせながら「処方(料理でいうレシピ)」を書きます。何十種類もの香料を、初めから全てを書くことは難しいため、パーツごとに香りのアコードを取っていきます。「アコードを取る」とは、Aという香料とBという香料を混ぜ、時間経過と共に香りの移り変わりを確かめる作業のことをいいます。

今回のサクラ・マグナの処方を作るにあたっては、大きく以下の3つのステップに分けてクリエーションしました。

◆ジャスミンベース
ジャスミンアブソリュートを基軸としつつ、香り立ちが伸びやかで色味に混じりけがないようなジャスミンの香りを調合。天然香料の素材の良さは残しながらも、さらに香りが惹き立つように十数種類の香料で下支えしています。余談ですが、インドールという「かびた押入れのような要素」や「大便のような要素」を持つ香気成分をほんの少量だけ、ブレンドしていたりします。こういった、単品で嗅ぐと不快な香料でもジャスミンを立体的にしてくれる大切な要素になるので調香の世界は奥深い。

◆さくらの要素ベース
さくらの香気成分に含まれている(とても微弱ですが)、杏仁豆腐のような香りのベンズアルデヒドや桜餅のような香りのクマリンを軸として、ジャスミンベースに柔らかさと彩りを与えるベースを調合。これらはごく微量ながら、実際に桜に含まれる香気成分たちです。ただ今回の香りのメインではなく、あくまで全体を補完してくれる役割です。

◆さくらの幹ベース
私がクリエーションしたい香りは、花びらの綺麗な部分だけではなく、大地にしっかりと根を張った生命力のあるさくらの”全体像”でした。イリスアブソリュートのウッディ調を軸に、香りの骨格を壊さないようにサンダルウッドの香りを調合することで実現しています。

それぞれのベースは、Yukimasaがスピーディに処方を考えてブレンドしたことで、予想以上に早いスピードで香りの骨格が浮かび上がってきました。ちょうどこの頃は秋も深まってきたタイミングで、お披露目まではまだまだ時間がありそうだな〜と余裕の気持ちでいました(振り返るとそんな自分を叱ってやりたいです)。

その後、Ginza Sixや阪急メンズ大阪でのイベントも重なってチーム全体が非常に忙しい状態が続いている中、秋も深まった某日、ベースを混ぜた試作1本目が出来上がりました。ベースの出来上がりに満足していた私たちですが、果たしてその香りはいかに...。

次回、サクラジャーナル #05「試作が完成...?」は、2021年2月9日公開です。

プロフィール:
山根大輝@NY406
Founder&CEO。大学卒業後、コンサルティングファームで働きながらパルファンサトリで調香を学ぶ。好きな香料はプチグレン、ネロリ、ガルバナム。LIBERTAはグリーンタイプを愛用。

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