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2021.02.19

【桜の香水ができるまで】#10「さまざまな困難を乗り越えて」

さて、せっせと書き続けてきたサクラジャーナルも第10回目を迎えました。私たちがLIBERATION(リバレイション)コレクションを通して何を実現したいと考えているのか、そしてなぜサクラ・マグナをクリエーションするに至ったのかを少しでもお伝えできたのではないかと考えています。この香りが完成するまで(これを執筆している時点ではまだ完成していませんが、まあきっと大丈夫でしょう!)に非常に多くの困難がありました。しかし同時に、非常に多くの方に助けられてきたなとも思います。この場を借りて、サクラ・マグナの発売に向けてサポートいただいた全ての皆様に感謝申し上げます。

日本で香水ブランドを立ち上げることは、多くの意味で大変なことです。まず、香料会社と出会うことから難しい。通常の営業と同じように正面から連絡をとっても、門前払いされる、もしくはたくさんお金を積む必要が出てきます。なぜならば、ほとんどの香料会社はパフュームで生計を立てているのではなく、食品用のフレーバーやトイレタリー商品の方が圧倒的に多く、彼らにとって消費量のあまり多くない香水を取り扱うことは、特段メリットのないことなのです。ですから、予算が多い会社でないとあまり相手にしてもらないというのは当然のことなのです。けれど、私たちはこれまでのご縁から、予算があまりないにも関わらず、お取引をさせて頂けているため、豊富な種類の良い香りをお届けすることができています。

また、素敵な香料会社に出会えたとして、次に良い調香師に出会わないとなりません。日本人の調香師で、香水としていい香りをクリエーションできる人は片手で数えられるくらいしか存在していないと考えています。たしかに、「香水」というプロダクトを創ることができる人はたくさんいます。しかし本格的にグローバルに通用する香水の作り方を理解し、それでいて独創的な香りを創るためには多大なセンスと経験が求められます。私はパフューマーとしての経験はまだ浅く、今はパフューマーの”卵”といった方が正しいでしょう。しかし確固たる香りへの情熱と、世の中にあるべき香りを想像する力は持っていると自負しています。その壮大な妄想を具現化するために、人生の先輩たちであるシニアパフューマーたちと対話を重ね、そのような人々の経験をインプットしてもらっています。そのセンスと経験の裏付けが両立しているからこそ、Liberta Perfumeの香りは世の中に恥じない香りをご提供できていると考えています。

香水をきちんと製品としてお届けするためには、非常に多くの方が関わってくれています。ボトルやキャップの製造元工場、香料を正確に熟成・充填してくれる提携パートナー、出来上がったものを丁重に運んでくださる運輸会社の方々。そしてイメージをデザインに落とし込んでくれるデザイナーチームや私たちの世界観を視覚で表現してくれるクリエイティブチーム、このプロジェクトにどれだけの方々が関わってくれているのか数えきれないほどです。いつかみんなが一同に会して、このサクラ・マグナについて語る日がきたらきっと面白いかもしれません。


最後になりますが、もしかしたら私たちのサクラ・マグナが世の中に与えるインパクトは、私が想像するよりも遥かに小さいのかもしれません。「別に満開の桜の香りなんて世の中になくたって困らないじゃないか」「新しい香水を出すだけで何を大袈裟なことを言ってるんだ」それもごもっともなご意見かもしれません。でも、私が、私たちが、存在すべきだと信じている香りが、誰かの心に残って感動を与えられるものであるならば、これほど嬉しいことはありません。Liberta Perfumeというブランドを背負ってたつ象徴的な香りサクラ・マグナ。ぜひあなたの香りのワードローブにお迎えいただき、シグネイチャーセントとして愛していただけましたら何よりです。

次回、サクラジャーナルは番外編として「サクラ・マグナの品評(by ベセベジェ)」を、2021年2月21日に公開予定です。

プロフィール:
山根大輝@NY406
Founder&CEO。大学卒業後、コンサルティングファームで働きながらパルファンサトリで調香を学ぶ。好きな香料はプチグレン、ネロリ、ガルバナム。LIBERTAはグリーンタイプを愛用。

Special Thanks:
Shota Yabe, Yukimasa Takemiya, Shunya Nishiyama, Ryuken Matsuzaka, BCBG, Mio Fukuda, Shusuke Tokin, Shigeo Kishida, Pinole Inc, Team Dentsu, Team Amana, and ...my wife Mika :)

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