こんにちは、LIBERTA perfumeの山根です。いつもご愛用頂き誠にありがとうございます。さて、本日プレタポルテのLIBERATIONコレクション、第二弾となる「SOLTERRA(ソルテッラ)」を発表いたしました。
SOLTERRAは、香りの存在しない夏の花「ひまわり」をモチーフとした香りです。今日は私たちがSOLTERRAにかける想いを少しお伝えできればと思います。
◎なぜひまわりというテーマを選んだのか
LIBERATIONコレクションの今年のテーマは「香りがないものに、香りを与える」というものでした。このテーマを考え出したのは昨年の夏頃でしたが、その時に真っ先に私の頭に浮かんだのはひまわりの花でした。
私にとってひまわりは、元気を与えてくれるものの象徴です。バラも、サクラも、そしてキンモクセイも大好きな花々ですが、いつも気持ちをポジティブにさせてくれる花としては、ひまわりに並ぶものはありません。そんな私の、私たちの、心を掴んで離さない花であるひまわりを、どうして香水として表現する人がいないのだろうと、いつの日からかずっと考えていました。
私はフランスやアメリカの調香師やクリエイターが表現するコンセプトには、その土地における価値観やライフスタイルが反映されていると感じます。そこで、ひょっとするととひまわり自体が日常に溶け込んでいる地域とそうでない地域があるのかも?と大雑把な仮説を持ちながら、ひまわりについて色々と調べてみることにしました。
ひまわりは元々北米を原産とする花で、紀元前からネイティブアメリカンたちの間では食用として用いられていました。意外なことに、16世紀になってはじめてスペイン人がアメリカからひまわりの種を持ち帰り、栽培したことからヨーロッパへと伝わっていきます。その後、ロシアで食用として大量に栽培されることで世界に広まっていったと言われています。現在では、ロシア近辺のヨーロッパ・中国・南アメリカの地域で多く栽培されているようです。
このようにひまわりの歴史を調べてみると、香水のクリエーションの聖地であるフランスとアメリカ(北米)が登場することは少ないのです。よって(大雑把な結論ですが)私たち日本人が考えるほどひまわりはメジャーな存在ではなく、香水として情熱をかけて表現するに値する存在ではなかったのかもしれません。とはいえ、ゴッホの有名なあの絵画のように、全く取り扱われないというものでもありません。
LIBERTA perfumeは、さまざまな視点から「私たちのための香り」を実現することを目指すブランドです。香りの表現方法ひとつをとっても、私たち日本人、アジア人だからこそ表現することができる感性を大切にしていきたいと考えています。以上のようなことから、ブランドのフィロソフィーにもぴったりなテーマとして、ひまわりの花が選ばれました。
<豆知識:ゴッホのひまわり>
ゴッホが亡くなる少し前に、滞在した南仏のアルルで描かれたのが、かの有名な『ひまわり』です。ゴーガンとの共同生活を待ち望みながら描かれた、ゴッホの希望がひまわりの黄色に反映された絵画だと言われています。一方で、ヨーロッパの美術界では「黄色」はあまりポジティブな印象がありませんでした。裏切り者であるユダの衣装が黄色であることに代表されますが、中世フランス語の「fauve(フォーブ)」という言葉が単に黄褐色という意味ではなく、比喩的に「裏切り」という意味を持っていたからだとされています。そもそも伝統的に黄色をテーマにした表現が避けられていたという文化的背景もあるかもしれません。
◎誰のために届けたいか
ここまでテーマやインスピレーションについて長々と語ってきたところではありますが、実は私は、このSOLTERRAの香りには説明はいらないのではないかと考えています。
太陽も、ひまわりも、誰しもがそのポジティブなエネルギーをそれらから感じ取ります。しかし、なぜそれらが元気を与えてくれるものなのか、ということに言葉は不要でしょう。
SOLTERRAをひと嗅ぎしていただければ、その爽やかで力強い香りから元気な印象を受けます。私はこの香りは、太陽のように、そしてひまわりのように、誰しもが元気をもらえるような、そんな存在になれるのではないかと思うのです。
そしてSOLTERRAは、特定の人のための香りではありません。香水が大好きな人も、香水をまだ手にとったことのない人も、すべての人に愛していただくために存在する香りです。今回も素晴らしい素材をふんだんに使ったので(次回のジャーナルで解説します)、少し値は張ってしまうのですが、後悔させることのない香りになっていると自信を持っております。
最後に、ウィズコロナの時代において、私たちのライフスタイルは大きく変わりつつあります。外出する機会が減っていく中、季節を感じる機会も減っています。家族や友人との思い出をつくる機会もまた、同時に減ってきていることを体感しています。私たちは、そんな状況下でも、香りがもたらしてくれるエネルギーを信じ、愛する香りというプロダクトを通してこそ、元気を与えられるような存在でありたいと考えるのです。
いつの日か、このSOLTERRAが太陽・ひまわりに次いで、未来を照らしてくれる象徴になる...なんて壮大な妄想をしながら、ぜひ多くの方にSOLTERRAをお手にとっていただけることを願っております。
6/7(月)〜13(日)にて、Life Scent Weekという表参道で開催するイベントでは、SOLTERRAを先行販売いたします。ぜひお近くの方はイベントに足を運んでいただければ嬉しいです。遠方の方は、ムエットを無料でお配りしております。ぜひ公式サイトからお求めください。
プロフィール:
山根大輝@NY406
Founder&CEO。大学卒業後、コンサルティングファームで働きながらパルファンサトリで調香を学ぶ。好きな香料はプチグレン、ネロリ、ガルバナム。LIBERTAはグリーンタイプを愛用。