そこで今回は、第1回で保留にしたデートでの香水の使い方について。わかりやすくデートという言葉を使っていますが、お出かけの有無にかかわらず、大切な人との大切な時間をぜひ香りで彩ってほしいという趣旨になっています。なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により日々激務にあたられている医療従事者はじめ、すべての職業人の皆様に心より敬意を表します。
目次
①本当に無難な香りでいいの?
②シチュエーション別香りの活かし方
③まとめ
①本当に無難な香りでいいの?
【香水 デート】と検索してヒットする多くの記事では〝ふんわり優しく香らせて好感度アップ!〟や〝万人ウケする香りで彼(彼女)のハートをゲット!〟といったキャッチコピーが目に入ります。しかも面白いことに、それらページがおすすめする香りはどこも似たり寄ったり。具体的な商品名は避けますが、それらは大抵有名ブランドの製品だったりするので、なんだか説得力もあります。
ただ、香水ブランドとして言っていいのか微妙なところですが、香水をつけたからモテる、ということはおそらく無いと思うのです。しかし、逆はあり得てしまう。つまり、香りが原因でマイナス印象になってしまうということです。ですから、香水とデートがセットになると「無難」「キツくない」「ふんわり」「清潔感」という言葉が躍り出すのは当然ともいえます。
でも、デートの時くらい相手に自分をしっかり届けて欲しいと思います。それに、香りがきつい、強いといった不快感の原因は、多くの場合が「つける量」と「つける箇所」の問題なのではないでしょうか。もちろん、生理的に受け付け難い香りや苦手な香りというものはもたしかに存在します。けれども、せっかくお金を出して買った香水が、もしも付け方ひとつで嫌がられてしまうとなると、あまりにもったいない。
以前も書いたように、香水のネガティブイメージの正体のひとつは「場での違和感」だと考えているわたしたちは、TPOと自分らしさの両立を大切にしています。相手を振り向かせたいからといって、たいして好きでもない香りを纏うことはありません。あなたが好きな香りを『良い香りだね』と言ってもらえることの方がはるかに幸福ではないでしょうか。そのためにも、シーンに応じた適切な香水の使い方ということを、わたしたちLIBERTA perfumeは言い続けたいのです。
②シチュエーション別香りの活かし方
A.初デート/ディナーの場合
気になっている相手と初めて2人きりでディナーとなった場合、キツすぎない柔らかい香りは正解といえます。初めてだからこそインプレッションを与えたいところではありますが、強い香りで食事に来る非常識な人と思われては台無しです。ソフトフローラルやホワイトフローラルのような柔らかい香りをウェストにつけるのがおすすめ。料理の素晴らしい香りを共にする嗅覚体験を大切に。
ただ、アフターディナーで距離が近づくこともあるので、いざというときのミニサイズはカバンに入れておいていいかも……。
B.距離が近付く/映画や観覧車の場合
一緒に隣り合わせで映画を見る時や、二人きりで観覧車に乗る時など、距離が近付く時に「いい香りだな」って思ってもらえたら嬉しいですよね。ほど良い距離感を保ちつつ、しっかりと相手に香りを伝えたい場合には、シトラスやフローラル系は体温の高いところ、ウッディやオリエンタル系は体温の低いところをオススメします。
合わせて読みたい:
『香水専門ブランドが教える、オススメの香水の付け方とは!?』
C. 今日が勝負/イルミネーションデートの場合
クリスマスが近づくにつれ、街はどんどん華やかに。今日のデートで勝負を決めたい、そんな時はイルミネーションの煌びやかさにも劣らないような少し主張した香りをおすすめします。ウッディオリエンタルやフローラルオリエンタルの香りをお腹から胸にかけて2〜3プッシュしておくと、冷たい外気温の下で服を着込んでいても、ふと近づいた時に暖かみのある香りがしっかり届きます。
D.月日を重ねて/おうちデートの場合
今は旅行や外出もしづらいご時世、家でまったりおうちデートといえば聞こえはいいものの、さすがにマンネリ化することも。そんな時だからこそ、人目を気にしない香りを纏って気分を盛り上げてみてはいかがでしょうか。フルーティのような甘い香りで癒されたり、普段はキャラじゃないからと付けないような香りを纏ったりして、相手の新たな一面を感じるのも良いかもしれません。ルームフレグランスやアロマキャンドル、お香などおうちならではの楽しみ方も。
余談ですが、先日、ハヤカワ五味さんのブランド、Illuminateとのコラボ企画で、アップルパイの香りをイメージしたキャンドルをご提供しました。LIBERTA perfumeでの市販はまだないのですが、もしご興味のある方いらっしゃいましたら教えてください!
③まとめ
今回はクリスマス前ということで、デートシーンでの香水のつけ方について書きました。資生堂の研究チームによれば、熟れたフルーツ調やオリエンタル系など特に濃厚で重みのある香りには単純接触効果が認められる(※)ようで、これらはデートの回数を重ねてゆく上ではうってつけの香りなのかもしれません。
ただ、香りはあくまで自分を演出するもののひとつであり、大切なのは自分らしさと相手の感覚を尊重すること。そういう意味では、パートナーとの会話の中で積極的に香りについて語り合うというのも重要なコミニュケーションと言えます。いや、でも、そもそも、もし香りの好みが合わなかったとしたら、それって香水がどうこう以前にあまり相性が良くないの相手なのかも……?
12月は各ブランドからクリスマスコフレやホリデイギフトがたくさん登場する時期でもあります。ぜひお相手と一緒に香水巡りをして、お互いが心地よく感じられる香りや、あるいは苦手な香りも共有しながら香りのある生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。お読み頂きありがとうございました。
※資生堂公式サイト「資生堂、嗅げば嗅ぐほど好きになる香りを発見」2005年
https://corp.shiseido.com/jp/newsimg/archive/00000000000659/659_y9o64_jp.pdf
【イベントのお知らせ】
2020年12月16~20日にて、阪急メンズ大阪にてポップアップイベントを開催します!普段嗅ぐことができないWEB診断でレコメンドされる香りを展示すると共に、パフューマーのコンサルテーションによる、フルオーダーでの調香も実施します(要予約制)